abcは第1回であるthe firstから変化を重ねつつも、大会の方針は変わらずに現在まで歴史を積み上げております。このページではabcの現在のルールと、その見どころを紹介します。
本ページの内容については、公式サイトにあるabcのルールをご覧になりながらお読み頂けると幸いです。
1st Round: 200問ペーパークイズ
abc各ラウンドのルールは20年間で少しずつ変化していますが、「48人が2Rに進出できる」という点はthe firstからずっと変わっていません。全ての参加者を待ち受けるのは、「4択クイズ」と「一問一答筆記クイズ」の2形式を組み合わせた、合計200問の2段階式ペーパークイズです。4択クイズで200位以内に入った選手のみが筆記クイズの「採点」に進むことができ、続いて筆記クイズの点数によって48名が決まります。大会への参加人数が増加した近年は、48人はもちろん、200人の枠を巡る争いも年々激化しています。
制限時間は合計40分。1問にかけられる時間は、単純計算でも12秒しかありません。問題を最後まで解ききれないこともあります。選手たちは、焦りとプレッシャーの中で自分の記憶をたどっていかなければならないのです。実力者だからといっても安心することはできず、ニューフェースの方が勝ち抜けることもあります。毎年、誰にも予測がつかない48人の並びが決まるこの1Rから、たくさんのドラマが生まれます。この狭き門を勝ち抜けるのは誰か?全ての戦いはここから始まります。
2nd Round: 連答つき5○2×クイズ
48人が次に挑むのは、12人ずつの4組に分けて行われる「5ポイント獲得で勝ち抜け」の早押しクイズ。多人数の早押しクイズでは、解答権の確保そのものも大変になるため、選手たちはこの2Rから攻めていかなくてはなりません。しかし、「2問誤答で失格」というルールもあるため、早さに加えて正確さも要求されます。
1R上位の選手には、順位に応じて3ポイント、2ポイント、1ポイントのアドバンテージが最初に与えられます。一見、2~3ポイントの初期点があれば勝ち抜けがぐっと近づきそうですが、そうとも限らないのがこの2Rの奥深さ。それは「連答(連続で正解)すると2ポイント」というルールが存在するからです。0ポイントからスタートした選手が連答で得点を伸ばし、一気に上位へ躍り出ることもしばしばです。
多人数による高速の早押しと、「連答」ルールによる目まぐるしい展開が見どころの2R。1Rの狭き門を抜けた選手たちは、この壮絶な戦いを制さなければ次の戦いには進めません。
3rd Round: Number 10
2Rを勝ち抜けた合計20人の選手たちは、再度4組に分かれて次のラウンドを戦います。3Rの特徴は4組ともルールが異なること。「10問正解で勝ち抜け」という基本要素は共通していますが、戦いの中身は全く異なるものとなります。実施順は抽せんで決定され、選手たちは1つのルールが選び出されるごとにエントリーの意志表示をします。そして、2R勝ち抜け順位と1R順位に応じた優先順位で参加者が決定されていきます。
10 up-down
最初の誤答でポイントが0に戻り、2回目の誤答で失格となる、Number 10の中で最も誤答に厳しいルール。自分が正解できる問題を確実に正解していかなければなりません。少しの動揺や集中の途切れが命取りになってしまいます。
注目したいのは、1問誤答でポイントが0に戻っても、そこからの挽回が可能であるというところ。誤答で即失格となる後がない状態から、驚異的なペースで正解を積む選手もいます。極限の状況で繰り広げられる、覚悟の決まった早押しの応酬に注目です。
10 by 10
正解ポイントと誤答ポイントの積が100以上になれば勝ち抜けとなるルール。つまり、誤答が0なら10問正解で勝ち抜け(10×10=100)となりますが、1問誤答すると12問(12×9=108)、2問誤答すると13問(13×8=104)の正解が必要となります。このように、誤答するごとに正解ノルマが上がっていくのがこのルールの恐ろしいところ。3問誤答してしまうと、必要な正解数は15問(15×7=105)にまで増えてしまいます。
早くから誤答がかさむと致命傷になりかねない一方、ゴール直前の誤答で勝ちが遠のくことも。1問や2問の誤答では挽回できるルールですから、誤答によって崩れない堅実さが求められるルールです。
Swedish 10
それまでの正解数に応じて誤答ペナルティの重さが変わるルールです。Swedishの名前は、100m、200m、300m、400mを4人の走者が1人ずつ走る「スウェーデンリレー」から来ています。
終盤(6問〜9問正解時)の誤答が痛いのはもちろんのこと、序盤に背負った「×」が後に響くこともあります。10問の正解を出せるように15分間を戦い抜く計画性と、「×」の数に応じた柔軟な対応が特に求められるルールです。そのため、最初から最後まで気を抜いていられません。緊張感を持続できるかどうかがカギとなるでしょう。
Freeze 10
誤答ペナルティとして減点や失格ではなく「休み」が課される点が特徴です。1回目に誤答した後は1問休み、2回目の後は2問休み、……という具合に、休みの問題数がそれまでの誤答数に応じて増えていきます。失格者が出ない点では誤答に比較的優しいルールと言えるでしょうか。
リードしていたのに長い休みによってピンチになったり、解答者が減って少数の選手が得点を伸ばしたりと、大きな形勢逆転が起こる可能性もあるのが怖いところ。休みによって良い流れを断ち切らないよう、いかに自分のペースを形作るかがポイントになると予想されます。
Extra Round (敗者復活戦)
3Rのあとには、全員参加の敗者復活戦が行われます。このラウンドは2つのステップに分かれており、読み上げ式の筆記クイズで生き残りを目指す1st step、5問正解で勝ち抜けの早押しクイズを行う2nd stepを経て、3Rを勝ち抜いた8名に待ったをかける最後の1人が決まります。
このラウンドの一番の特徴は、筆記クイズ・早押しクイズともに「1問でも間違えると失格」であることです。非常に誤答に厳しいルールの中、たった1枠を争う戦いが、終始高い緊迫感とともに進んでいきます。知識量・正確さ・スピード、そして、最後まで気持ちを切らさない執念がものを言うラウンドとなるでしょう。「最後の切符」を掴み取るのは、一体誰なのでしょうか。
準決勝: 3セット制タイムレース Nine Hundred
「タイムレース」とは、問題が矢継ぎ早に出題されるクイズ形式のこと。正解・誤答の判定が出るとすぐに次の問題に移るため、選手たちには休む暇がありません。3Rまでに比べて進行のペースがぐんと速まるため、これまでよりもさらに高い集中力が求められます。
もう一つ特徴的な点が、ラウンド全体が3つのセットに分かれていること。セットごとに入るポイントが変動し、そこまでの通算得点上位1人が勝ち抜け、下位2人が失格となります。1セット目は正解+1点、誤答-1点のオーソドックスなルールですが、2セット目では減点のみ倍になり、-2点と誤答に厳しくなります。一方、3セット目は正解+2点、誤答-2点と、大量得点が見込めるルール。選手の数が3人に減っていることもあり、得点の変動が非常に大きく、しばしば逆転劇も起こります。
選ばれた9名による、スピードと意地のぶつかり合いに注目してください。
決勝: トリプルセブン
決勝へ進んだ3名が戦うのは、最大で7セット実施される長丁場の早押しクイズ。「7問正解で勝ち抜け・3問誤答で失格」となる試合を1セットずつ繰り返し、最初に3セットを獲得した選手が優勝となります。abcの最後は、競技クイズの世界では有名な「7○3×」に勝負が懸かります。
この「トリプルセブン」、21stまでは「7○1×で開幕した後、1セットごとに誤答の余裕が増えていく」という形式で行われていました。過去には3セットを1人が連取して終わったこともあれば、最終7セット目までもつれ込んだこともありますが、新ルールでの決勝戦はスタッフ一同も見たことがありません。どんな勝負が繰り広げられるのか、私たちもとても楽しみにしています。
どのような展開になろうとも、最後には3人のうち誰か1人がabcの頂点に輝きます。祝福を受けるのは一体誰なのか、最後の1問まで目が離せません。